「地理」に興味を持つ~地理の学習を豊かにするために~
社会科の中でも地理の分野を苦手としているお子さんは多いのではないでしょうか?それは地理に対する悪いイメージが先行しているからではないかと私は思っています。
皆さんの地理に対する印象はどのようなものですか?「用語や数字の暗記がめんどくさい、覚えにくい」や「無駄に理屈っぽい」といったものではないでしょうか。もしかしたら、旅行好きの方は全く違う印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし地理を単なる「勉強」として捉えてしまうと、「地理嫌い」の方々はこうしたイメージを抱いてしまうと思います。
実際、令和3年度の大学入試共通テストの受験者数をみてみると、過去2年大差でこそありませんが地理B選択者よりも日本史B選択者の方が多いですし、この傾向は私が大学入試を受験した10年以上前から変わっていません。
大学入試共通テストの試験問題を見ると、図表やグラフ、写真などの資料から情報を読み取り、設問に答えていく力が試される傾向がありますし、中学や高校の入学試験や大学入試の二次試験では、論理的思考を求められることもあります。また、そうした問題を解く際に必要となる前提知識は、ある程度の暗記が要求されるのも事実です。しかし、それは地理の中でもほんの一部の側面にすぎません。
ここでは地理とその学習に興味を持つために必要なことを紹介していきたいと思います。
興味を持ってみましょう
まず、私が思う地理に興味を持つ第一歩は「目の前の景色をみること」です。景観観察とも言いますが、これが地理の力をつける大事な要素の一つになります。
例えば、東京・渋谷のスクランブル交差点でたくさんの人々が行き交う映像を見たことがある人は多いでしょう。そこから「どうして渋谷はこんなにも多くの人を引き付けるのか」と考えてみましょう。すると渋谷には何があるのか、どのようなお店があるのか、どのような鉄道路線が乗り入れているのか、といったものが見えてきます。
またカレーライスを作るとして、スーパーに材料を買いに出かけたとき、その産地を見てみましょう。ジャガイモやニンジン、玉ねぎは北海道産のものを目にすることが多いでしょう。それに対して、同じ野菜でも葉物野菜は茨城・栃木・群馬・千葉…といった都市近郊産のものが多いことに気づくはずです。それはなぜなのか?どうしてこうした違いがあるのか?いくつかの理由を思いつくのではないでしょうか。
こうした普段目にする何気ない光景に「なぜ?」や「どうして?」という感覚を抱くことを覚えていくことが地理に興味を持つことにつながっていくのです。
自分から探しに行きましょう
この感覚が身についたら、今度は少しだけ世界を広げてみましょう。自分から探しに行くのです。
旅行に出かけた際のことを思い返してみてください。美しい風景、温泉、名所史跡…。様々なものを目にするでしょう。またご当地グルメに舌鼓を打つことも多いと思います。いずれもその土地ならではのものが多く、その地域でしかできないことを体験できたことでしょう。こうしたものを体験したとき、「自分が住んでいる場所とは違う」といった差異に気付くこともあると思います。
この「差異」を感じることも地理に興味をもつ大事なきっかけの一つです。そこからまた「なぜ」や「どうして」へとつながっていくのです。
旅行に行くことが難しければ、自分が住む町の中だけでも構いません。自分が住んでいる地域を歩いてみましょう。土地の高低、川の流れる向きなどの地形や自然環境から、農地と宅地、商業地といった人の営みによる差異など、何かしら気づきがあるはずです。
また、動画投稿サイトには街歩きや地域紹介、観光関連の動画も多数投稿されています。こうした動画は普段行くことができない地域を知るのにいいかもしれません。
うして目に映るものから、その背後にあるものを連想し、理論立てて考えてみる。こうしたことを繰り返すうちに、論理的思考力も醸成されますし、全てとは言いませんが地理を勉強する上で要求される前提知識も身についていきます。
こうした力は何も地理を勉強することだけに役立つわけではありません。今後、社会生活を営む上でも必要とされる力です。地理に興味を持つということは単なる勉強にとどまらないのです。
もちろん、これまで述べてきたことだけで地理の学習全てを網羅することはできませんし、そうした部分については教科書的な学習が必要になることも事実です。しかし、こうして興味を持ち、気付いたり考えたりすることは教科書的な学習と不可分であり、そうした学習をより効果的なものにしてくれますし、一層の興味を持って取り組めるはずです。また、地理は地学や歴史(世界史・日本史)といった隣接する科目とも深く関わっています。地理を学ぶことによって、これらの教科の学習も豊かに進めていくことができるでしょう。それらはやがて入試や学校の定期テストで好結果を残すことへとつながっていくと思います。
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