アスペルガー症候群のお子さんへの有効的な指導法

近年では、学習障害への理解や支援が増えてきています。

今回は学習障害の一つである「アスペルガー症候群」のお子さんに、効果的な指導や勉強方法をご紹介します。
接し方についても書いているので、ぜひ読んでみてください。

アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムの一つで、以下のような特徴があります。

特徴

対人関係やコミュニケーションが苦手
特定の物事に強い興味やこだわりを持つ
感覚の偏り
日常生活がパターン化しやすい
相手の反応や状況を察することが難しい
言葉の裏の意味や曖昧な表現が分からない

特定の物事に強い興味やこだわりを持つので、興味のある分野においてはずば抜けた能力を示す場合も少なくありません。
お子さんの特徴を理解し、お子さんにあった指導ができれば大幅に学力をアップさせることができます。

接し方

アスペルガー症候群のお子さんとの接し方で悩まれている方もいらっしゃると思います。
接し方のポイントを3つご紹介します。

1.見てすぐ理解できる環境にする

物事をイメージしたり把握することが難しい場合は、イラストや図、写真を使って予定やスケジュールを伝えるのが効果的です。

2.短く具体的に

あいまいな言葉や伝え方だと、分かりづらく理解しにくいと言われています。
具体的な言葉を使って、簡潔に伝えることがポイントです。
その他にも、否定的な言葉は使わず、肯定的な言葉や言い回しをしましょう。
（例）走らない　→　歩こうね

3.関心をひいて事前に伝える

口頭のみで伝えると、他のことに気を取られてしまっていて聞いていなかったり、聞こえていなかったりする場合があります。それを防ぐためには、注意を引いてから伝えることで確実に伝えることができます。
さらに、予定外のことや予期せぬことが起きるとパニックになってしまうことがあるので、事前に伝えることが重要です。

正しい指導と勉強法

お子さんにあった正しい指導ができれば、学力をアップさせることができます。
正しい指導と勉強法のポイントを5つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

注意を引きそうなものをなくす

アスペルガー症候群のお子さんは、興味がない場合に他のものにすぐ注意を奪われてしまいます。勉強中はご家族で協力して、テレビの音や音楽などを控えてもうことや、机などの目に見えるところにはできるだけ物を置かないようにしてください。

具体的に話す

あいまいな言葉や表現を使ってしまうと、理解できず伝わらない場合があります。
しっかり理解できるように具体的かつ簡単な言葉を使い、ゆっくりと話すように心がけて伝えましょう。

事前に伝え、計画通りに進める

アスペルガー症候群のお子さんは、決まりから外れたことや、予想していないことが起こったときにパニックを引き起こしてしまいます。
こういったことを防ぐためには、やるべきことを明確にしてから事前に伝え、計画通りに進めることが大切です。
（例）　明日は〇時～〇時まで勉強しようね/この日は〇〇へ行くからね
事前に伝えることも大切ですが、「予定を変更しない」ということも大切です。
お子さんにとっては予想外のことになるので、パニックの原因となってしまいます。

勉強のこだわりを尊重する

アスペルガー症候群のお子さんには、こだわりが強いという特徴があります。
「勉強の仕方」や「勉強の流れ」などにこだわりを持っている場合があります。
そこで大切なのは、無理に別の勉強法をおしつけないことです。
こだわりを尊重せずに勉強を教えても、やる気の低下やパニックになってしまい、勉強ができなくなってしまいます。

納得するまで教える

抽象的な概念を理解するのが難しい場合があります。
また、解き方などで理屈や理由がわからないのを「そういうものだから」では納得ができず、勉強が進まなくなってしまいます。お子さんが納得できるまで教えることが重要です。

勉強環境

アスペルガー症候群は音に敏感な子が多いので、「勉強する環境」も非常に重要になってきます。
ちょっとした環境の変化でも、不安やパニックを引き起こす可能性があり、勉強の妨げになってしまいます。こういったことを防ぐためには、いつも同じ状態で勉強できる環境を用意しましょう。
もちろん、周りの音が気にならなければ図書館などでも問題ありませんが、パニックを引き起こす可能性がありますので、お子さんの状況に合わせて、勉強する環境を決めましょう。

お子さんに必要なのは、じっくり考えることができる環境と勉強方法です。
なので、お子さんに合ったペースで勉強ができる家庭教師がおススメです。
集団で行う塾では、お子さん一人一人にかける時間があまりなく、塾の授業の進度に合わせなければいけません。そのため、一度つまずいてしまったら、授業のスピードについていけなくなってしまうこともあります。