アメリカインディアンの子育て4訓に学ぶ、過保護にならない育て方
アメリカインディアンの子育て4訓を聞いたことはありますか?
①乳児はしっかり肌を話すな
②幼児は肌を離せ、手を離すな
③少年は手を離せ、目を離すな
④青年は目を離せ、心を離すな
といったものです。
これは自立を促す教育方法と呼ばれています。この記事では過保護にならない育て方をまとめていきたいと思います。
子育てに正解はありませんが、過保護になってしまっているかもしれないという親御さんへの参考となれたら嬉しいです。
過保護とはどういう状態か
国語辞典によると「過保護」という言葉は「子どもなどを必要以上に大切にすること。また、そのさま。」と記されています。
この必要以上のラインがとても難しいところです。愛情をもって接するといつの間にかそのボーダーラインを知らずに越えてしまうことがあります。
代表的な例はお子さんの苦手なことを代わりにやってあげるという事です。
困難や苦手は、乗り越えるまではとても大変ですが、乗り越えた先に成功や達成感があります。これを大変そうだからとやってしまうとお子さんの成長を妨げてしまう事になります。
良かれと思った行動が裏目に出てしまう、ここが過保護の恐いところです。
その他の養育関係の型
少し話が脱線しますが、過保護というのは養育関係を4つの型に当てはめた時の一つです。日本大百科全書には親子の優位関係を定める軸を「支配-服従」、愛情関係の軸を「受容-拒否」として「支配的-受容的、支配的-拒否的、服従的-受容的、服従的-拒否的」の4つの型があるとしています。
「支配的-受容的」の型が今回のテーマの過保護です。後述しますが、この型は子供の自発性や積極性が乏しくなる傾向があります。
「支配的-拒否的」の型は過干渉と呼ばれます。愛情よりもエゴイズムが主体で子供をコントロールしようとするきらいがあります。
「服従的-受容的」の型は溺愛と呼ばれます。過保護とよく似ていますが、この型は子供が過度の積極性を持ったり、自信過剰になる傾向があります。
「服従的-拒否的」の型は放任と呼ばれます。虐待などに発展するケースはこの型が一番多いとされています。
過保護だと思われてしまう行動
話を今回のテーマに戻します。
先のアメリカインディアンの子育て4訓の中で家庭教師みつけーるが対象となるのは③、④のケースだと思います。具体的にどんな行動が「過保護」になってしまうのか、またどのような成長の妨げになってしまうのかを例を見ながら一緒に考えていきましょう。
子供の身の回りのことを全てやる
家庭とは生まれながらにして最初に獲得するコミュニティであり、子供が社会生活に必要な知識やマナーを身につける大切な場所になります。いわば、これから帰属していくコミュニティでの訓練機構であるとも言えます。
子供可愛しのみで、大変だから、困っているからという理由で身の回りの世話をすべてやってしまう事はこの訓練機構の役割を果たさないことと同義になってしまいます。子供は成長の過程において、様々な知識や経験を積み重ねていきます。その過程に失敗を繰り返しながら成功を掴み、成長をしていきます。つまりこの成功の機会を奪ってしまう事になってしまうのです。
簡単に言うと、失敗の機会を与えることも教育の一つであるという事です。
子供の欲しがるものを全て与える
よくパロディになるスーパーなどで欲しいと泣きじゃくる子供ですね。どちらかというと溺愛型に該当をするかもしれませんが、お子さんの成長を妨げてしまう行動なのは間違いありません。さてどのような問題があるのでしょうか?一緒に考えてみましょう。
大前提として、与えることが悪ではありません。むしろ与えないことは放任型に当てはまり、良くない結果をもたらします。ここでのポイントは「全て与える」という点です。過度に物を与えてしまうと、子供は困らせることによって対象の目的物が獲得できるという間違った認識を持ってしまいます。すなわち、本来努力して得られるべき報酬を無償で与えられるものとして捉えてしまう事になります。
「努力をする」という才能に代えがたい能力の獲得を制限してしまうのは非常にもったいないですよね。
外出するときは常に一緒に行動する
学校への行き帰りをはじめ、その他の外出時に、親がピッタリ付き添うのはよくありません。子供は成長とともに行動範囲がどんどん広がっていきます。移動手段として電車やバスなど公共交通機関を利用する場合も出てきます。
その際に切符の買い方や改札の利用方法、目的地までの調べ方などの勉強ができるチャンスを失ってしまう事になります。勿論お子さんの年齢や時間帯などによっては親が一緒に同行した方が安心なケースもあります。その際は切符などは買わせてみたり、目的地までのルートを一緒に考えたりして子供の成長のチャンスを尊重してあげることが必要になってきます。最初はやって見せて上げることもいい事です。
山本五十六曰く、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」は教育の現場でも活かされます。
過保護型のお子さんに与える影響
過保護型のお子さんの悪影響としては、自発性や積極性の欠如が上げられます。
その場合どのような影響があるのかを考えてみたいと思います。
指示待ち人間になってしまう
子供の身の回りを含め、親が全てを行ってしまうと、子供本人にとってはお膳立てされるのが当たり前の環境となってしまいます。すなわち自分で判断・選択をしなくとも指示が得られるので、言われないと何もできない人間になってしまう恐れがあります。
また、物事に興味を持って自主的に動く機会が少なくなってしまうため、知識はあっても感性が育ちにくいなどの弊害も出てきます。
責任を他人に押し付けてしまう
子供は努力の中で失敗を経験し、成功の大変さを認識していきます。しかし、努力のチャンスを取り上げられ、成功するのが当たり前の環境だとどうなってしまうでしょうか?答えは失敗を極度に恐れ、自分の行動に責任が持てなくなってしまいます。
困難に直面した時に解決する方向でなく、いかにして逃げられるかを考える大人になってしまう恐れがあります。
引きこもりになってしまう
良くも悪くも家族以外のコミュニティはとても厳しく冷淡なものです。家族とのギャップが激しければ激しいほど落差は精神的なストレスとなって当人に降りかかります。自発性が失われてしまうと、自分の環境を作り上げることができず、コミュニティの中での居場所を失ってしまいます。
すると唯一安心できる家族のコミュニティに依存をし、外の世界を極度に恐れてしまう可能性があります。
過保護にならない為の教育とは
暗いお話をしてしまいましたが、良かれと思った行動がお子さんの未来を奪っていることになると思うとすごく不安になりますよね。
ここで冒頭の話に戻ります。アメリカインディアンの子育て4訓の③と④です。
③少年は手を離せ、目を離すな(小学生~中学生)
④青年は目を離せ、心を離すな(中学生~高校生)
時期的にはこのように考えることができます。具体的に見ていきましょう。
少年期(小学生~中学生)
少年期のお子さんは自分のことが自分で出来るようになっている頃合いです。
即ち、最初の失敗を繰り返しながら成功の甘美を手にすることを覚える時期です。
この時にまだ危ないからと手を尽くしてしまうと成長のチャンスをつぶしてしまいます。
むしろ挑戦を歓迎し、目を離さずに見届けて上げることが、この時期は最適解なのだと思います。
お子さんが成功を勝ち取った際には一緒に喜んで、思い切り褒めて上げて下さいませ。
青年期(中学生~高校生)
青年期のお子さんは親からの干渉を嫌がるようになります。これは寂しい事ですが当然の反応です。
ここで目を離さずにいると反発を招いたり、自分は期待されていないんだと自己肯定感の欠如に繋がってしまいます。
この時期はお子さんの選択を信じて、お子さんに任せることが最適解なのだと思います。
過保護自体が悪い事ではありません
ここまでさも過保護は悪だというような論調でしたが、4つの型の中で過保護であることは一番理想型に近いとされています。
しっかりと愛情をもって接しているからこそであり、良かれと思う行動だからこそです。
また、家族というコミュニティ中だと自分自身を省みることがなかなかできないことも原因の一つと言われています。
家庭教師みつけーるは家庭教師という事業を通して、家族のコミュニティの一部となれることを理想としています。
親御さんの悩みも、一緒に相談に乗り解決に導いていきたいと思っています。勉強だけでなく、精神面でもサポートをしていくことが、これからの家庭教師会社の宿命だと考えています。
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