北海道・北東北 縄文遺跡群
こんにちは、家庭教師みつけ~るの荻原です。
今回は日本の世界遺産について詳しく見ていきたいと思います。みなさん、日本にはいくつ世界遺産があるか知っていますか??
なんと25個も認定されています!(2022年現在)
今回は北海道・北東北 縄文遺跡群について学んでいきたいと思います。
世界遺産への登録の経緯
「北海道・北東北 縄文遺跡群」は北海道、青森県、秋田県、岩手県に点在している17つの縄文時代の遺跡によって構成されています。登録面積は141.9ヘクタール、保護緩衝地帯が984.8ヘクタールです。
縄文遺跡とは、縄文時代の人々が築いた集落など生活の痕跡が残る場所のことです。「北海道・北東北の縄文遺跡群」は紀元前13000年から紀元前400年までの遺跡が含まれており、縄文時代の人々の生活がどのように変化していったのかを知ることができます。
2002年に北海道、青森県、秋田県、岩手県の知事サミットで、縄文文化をもとに交流や情報発信を行う「北の縄文文化回廊づくり構想」が提唱されました。2009年に4県の知事と関連自治体の首長によって「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」が結成され、世界遺産登録に向けて構成資産の検討などが行われます。2020年に世界遺産に推薦され、2021年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産に登録された理由
世界遺産の登録基準は以下の10条があります。
- 人類の創造的才能を表現する傑作。
- ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
- ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
- 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
- ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
- 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
- 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
- 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
「北海道・北東北 縄文遺跡群」は3,5の基準を満たしています。どのような点が評価されたのか、わかりやすく見てみましょう。
①縄文時代の生活の様子がうかがえる
縄文時代は約1万年に渡って続いた時代であり、人々は狩猟・採集・漁労などによって生活をしていました。「北海道・北東北 縄文遺跡群」からは縄文時代の人々の生活の痕跡が良好な状態で見つかっており、人間の文化的な営みと自然とが共存している暮らしぶりを知ることができます。
北海道の南部の遺跡と北東北の遺跡の出土品を見てみると、縄文時代を通じて同じ文化圏を築いていたことがわかります。北海道と北東北の間には津軽海峡があることから、縄文時代の人々は海を船で行き来していたこともわかりました。
②縄文時代の技術や精神性がうかがえる
通常、狩猟・採集・漁労の生活は、獲物を追いかけて移動生活を営みます。一方で「北海道・北東北 縄文遺跡群」からは竪穴住居跡などの建物の遺跡が出土しています。これは縄文時代の人々が狩猟・採集を行いながらも一つの場所で定住していたことを示しています。
一つの場所に定住することは、技術や文化を芽生えさせるきっかけとなります。狩猟・採集を行うための石鏃や石匙、食べ物を調理したり保管したりするための土器も、このような文脈の中で発展してきました。
また、「北海道・北東北 縄文遺跡群」からは、墓、貝塚、盛土、ストーンサークルなどが発見されています。これらは「墓制が成立していたこと」「祭祀や祈りを行っていたこと」「高い技術があったこと」「天文の知識があったこと」など、縄文時代の人々の技術・文化・精神性を知ることができるとして評価されています。
③1万年の間の移り変わりを見ることができる
縄文時代は約1万年続いた時代です。「北海道・北東北 縄文遺跡群」は、気候変動・火山噴火などの環境の変化や社会の在り方の変化に適応しながら長期間にわたって生活を営んできた人々の歴史を示している、世界的にも珍しい例として評価されています。
「北海道・北東北 縄文遺跡群」の遺跡は「定住の開始」「定住の発展」「定住の熟成」の3つのステージにわけられ、それをさらに「居住地の形成」「集落の成立」「集落施設の多様化」「拠点集落の出現」「共同の祭祀場と墓地の進出」「祭祀場と墓地の分離」に分類することができます。縄文時代の遺跡は他にもたくさんありますが、1万年の間に行われた集落の変遷を細かくみることができる点も評価されています。
「北海道・北東北 縄文遺跡群」
「北海道・北東北 縄文遺跡群」は縄文時代の6つの時代(草創期、早期、前期、中期、後期、晩期)の遺跡によって構成されています。北海道は「大船遺跡」「垣ノ島遺跡」「キウス周堤墓群」「北黄金貝塚」「入江貝塚」「高砂貝塚」の6つが、青森県には「三内丸山遺跡」「小牧野遺跡」「大森勝山遺跡」「是川石器時代遺跡」「田古屋野貝塚」「亀ヶ岡石器時代遺跡」「大平山元遺跡」「二ッ森貝塚」の8つが、岩手県には「御所野遺跡」が、秋田県には「大湯環状列石」「伊勢堂岳遺跡」の2つがあります。「三内丸山遺跡」と「大湯環状列石」が国の特別史跡に、その他の資産は国の史跡に指定されています。
「三内丸山遺跡」は教科書で一度は目にする有名な遺跡です。縄文時代中期の大規模な集落跡で、竪穴建物跡、掘立柱建物跡、盛土、墓などが見つかっています。新潟県産のヒスイ、岩手県産のコハク、北海道や秋田県など他地域の黒曜石が見つかっていることから、大きな交易がおこなわれていたことをうかがい知ることができます。
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