奥州藤原氏の遺構、平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群

こんにちは、家庭教師みつけ~るの荻原です。
今回は日本の世界遺産について詳しく見ていきたいと思います。みなさん、日本にはいくつ世界遺産があるか知っていますか??
なんと25個も認定されています!(2022年現在)

今回は平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群について学んでいきたいと思います。

世界遺産への登録の経緯

「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」は岩手県西磐井郡平泉町にある「中尊寺」「毛越寺」「観自在王院跡」「無量光院跡」「金鶏山」の5つの資産によって構成されています。登録面積は構成資産が176.2ヘクタール、保護緩衝地域が6,008ヘクタールです。

平泉は11世紀末に藤原清衡が本拠地と定めた場所で、その後約100年にわたって奥州藤原氏の拠点となりました。仏教に深く帰依していた清衡は、平和な世の中になることを願って中尊寺を建立します。その後も3代にわたって仏教思想を取り入れた街づくりが行われ、毛越寺、観自在王院、無量光院などが建立されました。
奥州藤原氏が滅びた後は徐々に衰退するものの、京都や江戸など当時の中心地から離れた場所にあったことから、開発の影響を受けることはなく、当時の遺構などが良好な状態で残っています。1951年に文化財保護法が制定されると、中尊寺金色堂が国宝第一号として登録されます。2006年に世界遺産に推薦され、内容を精査しなおした結果、2011年に「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」として世界文化遺産に登録されました。

世界遺産に登録された理由

世界遺産の登録基準は以下の10条があります。

  1. 人類の創造的才能を表現する傑作。
  2. ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  5. ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  6. 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
  7. ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  8. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  9. 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  10. 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」は、2,6の基準を満たしています。どのような点が評価されたのか、わかりやすく見てみましょう。

①浄土思想の体現

浄土思想とは阿弥陀仏に帰依し、この世の平和を願うとともに、苦しみや争いのない極楽浄土に生まれ変わることを目指す思想です。東北地方平定の過程において父や妻子を失った藤原清衡は、敵味方隔てなく亡くなった方の極楽往生を願うとともに、争いのない世の中の実現を祈って中尊寺を建立しました。金色堂の金箔や装飾は、浄土を忠実に再現することを意識してつくられています。奥州藤原氏は浄土を体現した建物(浄土式建築)や庭園(浄土式庭園)を築くことにより、平泉の町に極楽浄土を再現したのです。

②独自の発展を遂げた文化・思想

平泉は、あの世ではなくこの世に浄土を再現するという理念のもとに町全体が形成されました。こうした考え方や都市開発の在り方は平泉独特のものとして評価されています。

中尊寺多宝堂には当時京都で用いられていた形式ではなく、東アジアの様式が取り入れられています。浄土式庭園は、仏教が日本で展開される中で育まれた独自の思想が、建築や庭園のなかに生きている点が評価されています。

「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」は、海外との文化交流の歴史や、浄土思想やそれに基づく文化が独自に発展してきたことを物語っているとして評価されました。

③浄土思想が現在も受け継がれている

平泉で育まれた浄土思想は、中尊寺の「川西大念仏剣舞」や毛越寺の「延年の舞」などの宗教儀式・民族芸能の形で現在にも受け継がれています。
また、「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」に込められている平和への祈りは、世界遺産が目指す「人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という理念にも通じるものがあるとして大きな期待がよせられています。

平泉を構成する5つの資産

中尊寺

中尊寺は天台宗東北大本山で、850年に円仁によって開山されました。12世紀初頭に藤原清衡によって金色堂をはじめとする大規模な伽藍造営が行われました。
国宝に指定されている金色堂は平安時代の優れた浄土教建築の一つで、奥州藤原氏4代の御神体が収められています。

毛越寺

毛越寺は850年に円仁によって開山されました。奥州藤原氏2代基衡、3代秀衡の時代に大規模な伽藍造営が行われました。火災によって建物は消失したものの、荘厳な浄土庭園と平安時代の遺構はほぼ完全な形で残っています。「常行三昧供」と「延年の舞」は国の重要無形民俗文化財に登録されています。

観自在王院跡

観自在王院跡は基衡の妻によって建立された寺院の遺跡です。建物は1573年に焼失し、その後荒廃したものの、昭和の発掘調査と修復を経て、浄土庭園の趣を今に伝えています。

無量光院跡

無量光院跡は秀衡によって建立された寺院の跡地で、京都の平等院鳳凰堂を模した造りとなっていました。建物は火災で焼失し、遺構が残るのみとなっています。
浄土式庭園の背景には金鶏山があり、自然と一体となって美しい景観を作り出していることが評価されています。

金鶏山

金鶏山は標高 98.6メートルの山で、平泉の都市計画の中心地でした。無量光院からは金鶏山と日没が重なるように見え、極楽浄土の再現という空間づくりにも大きな役割を果たしました。2014年に国の名勝に指定されています。

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