百人一首について
今回は百人一首について紹介していきたいと思います。ちなみに百人一首とは聞いたことがありますか?
百人一首とは代表的な歌人の一人一首の優れた歌を集めた秀歌選(しゅうかせん)のことです。言い換えると、100人の優れた歌を一つだけ選んで記録した歌の雑誌のような感覚です。
秀歌選(しゅうかせん)とは、最も優れた和歌を選んだ和歌集のことです。その中でも「小倉百人一首」が有名です。「小倉百人一首」は武将であり歌人である宇都宮頼綱(うつのみやよりつな)が歌人の藤原定家(ふじわらのさだいえ)に秀歌選(しゅうかせん)を作ることを依頼し出来たとされています。
藤原定家は、日本を代表する詩人としても有名で、「歌聖」「日本最初の近代詩人」など呼ばれています。「小倉百人一首」が作られた当初は一定の呼び名はなく、「小倉山荘色紙和歌」「小倉色紙」などと呼ばれていましたが、定家が小倉山で多くの和歌を選び抜き書物にしたという由来から、「小倉百人一首」という名前が定着したと考えられています。
豆知識として、小倉百人一首は1235年5月27日に完成したため、5月27日は「百人一首の日」となっています。そして、小倉百人一首は恋の歌43首、四季の歌32首、別れの歌1首、旅の歌4首、その他の歌20首の100首の作品が載せられています。今回は、小倉百人一首から5つの和歌を紹介します。
1つ目の和歌
まず初めに、「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」です。現代語訳としては、「桜の花の色はむなしく衰えすっかり色あせてしまった。春の長雨が降っている間に。自分の美しさも恋を積み重ねる間に衰えてしまった」という意味です。
この作品は小野小町であり世界三大美女として有名です。小野小町の作品には、どの歌にも情熱的(じょうねつてき)な恋愛感情が描かれており、とても綺麗(きれい)で華やかで美しい作風であったことから様々な歌人から評価されています。
2つ目の和歌
2つ目は「秋の田の かりほの庵(いお)の 苫(とま)をあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ」です。これは天智(てんじ)天皇の作品であります。現代語訳に直すと、「秋といえば収穫の秋であるが、古びた小屋であまりにもひどく、自分の袖(そで)は夜露でぬれ続けている」という意味です。
天智天皇はたまたまお世話になった小屋が藁(わら)で作られていて、そのすき間から夜露が流れ落ち、羽織ものがぬれてとても心細くわびしい感情になったという言い伝えがあります。天智天皇は、農民の生活の暮らしを改めて実感しこのような状況下である事を歌に示し伝えました。
3つ目の和歌
3つ目は、「春過ぎて 夏来(なつき)にけらし 白妙(しろたえ)の 衣干すてふ 天(あま)の香具山」です。これは持統天皇の作品であります。
現代語訳に直すと、「春が過ぎ去り、夏が来る頃。そろそろ白い衣を干せるかな、天の香具山では白い衣が干されている」という意味です。夏が訪れようとしている状況下である事が分かります。
4つ目の和歌
そして4つ目に紹介するのは、数年前に映画で「ちはやふる」が上映されていました。その流れから、「ちはやふる」という言葉が出てくる和歌も紹介します。「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川から くれなゐに 水くくるとは」です。
現代語訳に直すと、「神の時代にも聞いたことがない、竜田川の水が紅葉で紅色に染まることは」という意味です。これは、平城天皇の孫で在原業平(ありわらのなりひら)の作品です。
5つ目の和歌
最後に紹介するのは、百人一首の中で唯一の別れの句であります。「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む」です。現代語訳は「あなたとお別れしますが、因幡の国へ行き、稲羽山の峰に生えている松の木のように、私の帰りを待つと聞いたならすぐに帰ってくるだろう」という意味だそうです。
この歌は現代では、行方が分からなくなった飼猫の帰りを願う猫返しのまじないとしても伝えられ親しまれているそうです。
百人一首はカルタのルーツ!?
百人一首とは本来和歌集ですが、これをもとに作られたのが「カルタ」です。また、百人一首を使った「カルタ」と皆さんが知っている「カルタ」とは少し違うかもしれません。現在では、「犬も歩けば棒に当たる」と読み手が呼んだ場合、「い」のカードを探し、先に多く取ったほうが勝ちというゲームは主に「いろはかるた」呼ばれています。一方で、百人一首を使ったカルタは五・七・五・七・七の和歌を上の句と下の句に分けます。例えば、詠み手のカードにはすべて書いてありますが、取り手のカードには下の句の七・七しか書いていません。そのため、上の句と下の句を両方覚える必要があります。現在では、カルタを使った百人一首の学習が、国語の時間で取り入れられ授業参観の日に多く取り入れられています。
最後に、和歌は難しい言葉を並べられて理解をするのに少し時間がかかる分野でもあります。句を詠(よ)んで初めて意味や特徴を知る事が出来ます。特に国語の学習で、百人一首関係で差が開きやすく難しい分野なので、句を抜粋(ばっすい)してポイントでおさえてまず慣れることに焦点を当てて勉強していきましょう!
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