「行くところに敵はなし」徳川軍随一の猛将、本多忠勝

こんにちは家庭教師みつけ～るの鳥飼です。
日本の歴史登場人物を学ぼうシリーズ。今回は本多忠勝について学んでいきたいと思います。

幼い頃から徳川家康に仕えて行動を共にし、終生支え続けた戦国武将です。
その強さは「生涯57戦無敗でかすり傷ひとつなし」と伝えられています。

本多忠勝ってどんな人？

本多忠勝年表

西暦	出来事
1548年	本多忠高の長男として生まれる。
1560年	徳川家康に仕えて桶狭間の前哨戦である大高城兵糧入れで初陣を飾る。
1563年	三河一向一揆に徳川方として参戦し、制圧する。
1570年	姉川の戦いに参戦。
1572年	三方ヶ原の戦いの前哨戦である一言坂の戦いで殿を務め奮闘する。 三方ヶ原の戦いに参戦
1575年	長篠の戦いに参戦。
1582年	本能寺の変を受け、徳川家康に伊賀越えを進言する。
1584年	小牧長久手の戦いに参戦。 秀吉から「東国一の勇士」と賞賛される。
1590年	上総国大多喜藩（現在の千葉県中部）に10万石を拝領する。
1600年	関ケ原の戦いに監軍として参戦する。
1601年	関ケ原の戦功により、伊勢国桑名10万石に移される。
1609年	眼病を理由に家督を嫡男・本多忠政に譲り、自らは隠居する。
1610年	伊勢国・桑名にて死去

小牧長久手の戦い

忠勝の存在感が発揮されたのが、小牧・長久手の戦いです。
織田信長が本能寺に倒れた後、後継者として急速に台頭する羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）と徳川家康は1584年についに刃を交えることとなりました。これが後に「小牧・長久手の戦い」と呼ばれる天下分け目の一戦になります。

秀吉は、小幡城に戻っていた家康を襲撃しようと、2万の軍勢を率いて出陣しました。
一方、これを知った忠勝は、わずか500の手勢を率いて出陣したのです。
忠勝は三河の守備を家康から命じられていましたが、家康の身に危険が迫っていることを察知し、手勢を率いて駆けつけました。

羽柴秀吉の大軍と、龍泉寺川を挟んで対峙した本多忠勝は寡兵とは思えぬ大胆な行動に出ます。
なんと、ゆうゆうと河原で馬に水を飲ませる姿を秀吉軍に見せつけ挑発します。
それを見た秀吉は、忠勝が命をかけて2万もの大軍を止めようとしている意気に感じ、配下の者たちに「戦うな」と命じました。

一度も傷を負わなかった？

本多忠勝は生涯で多くの戦に参加しながらも、一度も傷を負わなかったとの伝説が残っています。
忠勝が出陣した戦の数は、初陣から最後の戦いになる関ケ原の戦い（1600）までに大小合わせて57回とされています。

無傷だからといって、戦場で逃げ回っていたのではありません。
徳川軍と武田軍が争った一言坂の戦いや、徳川家康が豊臣秀吉に挑んだ小牧・長久手の戦いでは、味方の逃げ道を確保するために最期まで戦場に残るという危険な役目を務めていますが、この時も無傷でした。

ときには軍勢の最前線で活躍し、またある時は高度な戦闘能力が必要とされる殿となって家康を助けてきたのです。
結果を出して、なおかつ自分は無傷で帰れることが忠勝の凄さなのです！

本多忠勝の最期

生涯で一度もけがをしながった忠勝ですが、晩年になってはじめてのケガをします。
晩年の忠勝は自分の持ち物に名前を彫っていた時、指先をきってしまったそうです。
「今までどんな激戦においても傷一つつかなかったこの体に傷がついた。もう私は長くない。」と言ったそう。
不運にもその予感は的中し、その出来事から数日後に亡くなってしまいました。

名槍「蜻蛉切」

忠勝は「蜻蛉切」という槍を使用していました。「天下三名槍」の一つとされています。
刃長はおよそ一尺四寸（約42～43㎝）、最大幅約3.7㎝とあたかも剣のような穂先を、二丈（約6ｍ）もの柄に装着した長大な槍だったと伝わっています。
（しかし、忠勝が年を重ねるにつれて、槍の柄を短くしていったとされています。）

蜻蛉切の名前の由来は、戦場で槍を立てていたところに蜻蛉が飛んできて、その蜻蛉が穂先にぶつかってしまい、真っ二つに切れてしまったことから「蜻蛉切」と呼ばれるようになったそうです。

いかがでしたでしょうか？
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