集中したいのに集中できない…どうしたら集中できる？

１．はじめに

集中できない…勉強していると誰もが抱く悩みです。集中力とは、「意識・注意を一点に集める能力のこと」ですが、集中力の概念は様々です。ただ、好きなことは集中できるのに勉強には集中できないのは自分の努力が足りないから、とか、どうしても気が散ってしまうのはやる気がないから、というように、集中力の問題はどうしても自分の意欲の問題だと考えてしまいます。
ですが様々な研究から、集中力の問題は意欲の問題だけではないことが分かっています。本来、集中力は誰にでも備わっているものです。その集中力にかかわる要素をここでは３つ挙げ、集中するための工夫を紹介したいと思います。

２．集中できない理由

一つ目は環境要因です。不快な室温（暑さや寒さ）、騒音がある、といった環境がよくないと、いくら意欲があっても集中力は影響を受けます。また、身の周りが散らかっていると、気持ちがそちらに向いてしまいます。
　二つ目は脳の要因です。脳が集中できる時間は決まっており、15分刻みで、最長90分という研究が多いようです。そのためそれ以上、集中するためには工夫が必要です。また、スマホやパソコンなどの刺激による脳の疲れがあると、集中したくても集中ができません。そして睡眠不足が脳に影響し、集中できない要因になります。睡眠により脳が整理されます。
三つ目は心と身体のコンディションが整っていないことです。風邪をひいていたり、疲れがたまっていたりすると集中はできません。また不安や心配、緊張などは集中力を阻害してしまいます。また、やりたいこと、しなければならないことが整理できていないと、やみくもに取り掛かっても、別のことが気になって集中できません。見通しが立ち、何をいつまでにやろう、という計画があると集中力が高まります。

３．集中するための工夫

集中力は意欲の問題だけではなく、工夫により引き出すことができます。理想の集中は、集中力の高さ、集中状態に入る早さ、集中の持続がそろうことです。「高さ×早さ×長さ」と言われます。
集中力がなかなか高まらないのか、集中のスイッチが入るまでの時間がかかるのか、集中がすぐに途切れてしまうのか、自分のタイプによって、合う方法を探してみましょう。

環境を整える

室温・湿度・音・照明などを調整し、視覚的な情報を減らすため机の周りを片付けます
背もたれにもたれず、背筋を伸ばした姿勢が維持できると集中できますので、椅子の高さを合わせます。

休憩

スマホやパソコンなどの刺激は脳を疲れさせ、集中力を奪いますので、デジタル機器から離れる時間を作ります。
また勉強している時は、集中できていても計画的に休憩を入れることで集中する時間は持続します。集中力が続くのは90分が限界とされますので、もう少し頑張れそう、というタイミングで休みを取り、脳をリフレッシュさせてください。

睡眠を取る

睡眠不足が集中力低下につながることは誰もが経験があると思います。よい睡眠が取れると脳が整理されますので、質のよい睡眠は大事です。就寝前にブルーライトが目に入ると熟睡を阻害されると言われますので控えましょう。また、状況が許すのであれば日中、15～20分ほどの昼寝ができると効果的です。脳をリフレッシュさせ、パフォーマンスがよくなります。　　　　　

身体を動かす

座り続けていると血液循環が低下し、脳の血液量が減少し、集中力が衰えますので、立ち上がってストレッチをしたり、適度な筋トレをしたりしましょう。身体を動かすことが、脳の働きに影響すると言われています。

心をコントロールする

やるべきことや目的を整理すると優先順位が決まり、１つに集中できます。また、これをがんばればいいことがある、成績が上がる、といった動機があると集中力を発揮することができます。また、やるべきことの見通しが立ち、計画が立っていると優先順位をつけて取り組むことができ、集中できます。　

その他

水分不足は気力と集中力を低下させます。水分補給が脳を活性化させますから、コップ一杯の水が机に向かう姿勢を変えてくれるかもしれません。
食事の工夫も大切です。脳を働かせるためには朝食は抜かない、ということはよく言われます。血糖値が乱高下しないよう、極度の空腹を避け、急に糖分を取るということも避けるほうがいいでしょう。
ガムを噛む野球選手をテレビで見ることがあると思います。噛むことで、脳が活性化すること、α波が出てリラックスし、集中できることが分かっています。

４．おわりに

集中できないのは意欲の問題だけではないこと、様々な工夫があることがお分かりいただけたでしょうか。
集中できないことを責めるのではなく、環境、脳、心と体のコンディションというキーワードを念頭に、試行錯誤して集中力を引き出しましょう。合う方法が見つかれば、ここ一番の集中力を発揮することができ、達成感が高まり、自信にもつながります。