かつては日本の首都でした、古都奈良の文化財

こんにちは、家庭教師みつけ~るの荻原です。
今回は日本の世界遺産について詳しく見ていきたいと思います。みなさん、日本にはいくつ世界遺産があるか知っていますか??
なんと25個も認定されています!(2022年現在)

今回は古都奈良の文化財について学んでいきたいと思います。

世界遺産への登録の経緯

「古都奈良の文化財」は奈良県奈良市に点在する「東大寺」「興福寺」「春日大社および春日山原始林」「元興寺」「薬師寺」「唐招提寺」「平城宮跡」の8つの資産によって構成されています。
登録面積は、構成資産が619.9 ヘクタール、保護緩衝地域が1962.5 ヘクタール、歴史的環境調整区域が539.0 ヘクタールです。

奈良は7世紀から8世紀にかけて日本の政治・文化・宗教の中心地であり、国宝に指定されている飛鳥時代や奈良時代の優れた建築物が集中しています。1966年に公布された「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」に基づき、資産の保護や景観の維持を行いながら都市計画を進めてきました。地域一体となって多くの文化財が良好な状態で保たれてきた結果、1997年に世界遺産に推薦され、1998年に世界文化遺産に登録されました。

世界遺産に登録された理由

世界遺産の登録基準は以下の10条があります。

  1. 人類の創造的才能を表現する傑作。
  2. ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  5. ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  6. 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
  7. ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  8. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  9. 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  10. 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

「古都奈良の文化財」は、2,3,4,6の基準を満たしています。どのような点が評価されたのか、わかりやすく見てみましょう。

①8世紀当時の優れた木造建築群

「古都奈良の文化財」を構成する6つの社寺は7世紀末から8世紀に建築され、飛鳥時代・奈良時代の建築様式を現代に伝えています。当時の木造建築が集合して残っているのは東アジアでも珍しいとして評価されました。

8世紀は仏教が鎮護国家の思想と結びつき、隆盛期を迎えた時期です。「古都奈良の文化財」からもそうした背景をうかがうことができ、当時の日本の政治や文化、宗教観がどのように推移していったのかを知るうえで価値があるとされています。

②古代の都の姿や文化的景観の維持

国の特別史跡に指定されている平城宮は、710年に開かれた平城京の中心地であった場所です。国の中心地として栄えた歴史や、奈良時代の都市計画がどのようなものであったかを現在まで伝えています。

春日大社は春日山を神体山とし、その麓に建てられています。春日山は平安時代に狩猟や伐採が禁止されたことから、古代の原始林が守られてきました。建造物と自然が一体となって文化的な景観を作っている点も評価されています。

③東アジアとの文化交流の歴史

平城京は唐の都・長安をモデルに作られています。7世紀後半から10世紀頃まで日本で取り入れられた国家制度である律令制もまた、唐の制度を参考に整備されました。
唐からは建築技術も伝わり、それに基づいて多くの木造建築が建てられました。
宗教の面では鑑真をはじめとする渡来僧が来日し、仏教の発展に貢献しました。
「古都奈良の文化財」からは、政治や文化などさまざまな面において、東アジアとの交流の歴史を見ることができます。

④日本独特の宗教観を感じられる

奈良は仏教が発展した場所であり、鎮護国家の思想などが展開されました。また、自然に神聖を見出す古来の神道の思想も見受けられます。「古都奈良の文化財」からは、当時の宗教観の特徴や、これらがどのように展開されたのかを知ることができるのです。
また、奈良では現在まで伝統的な宗教儀式が継承されており、この点も高く評価されています。

古都奈良を形成する8つの資産

東大寺

東大寺は8世紀に聖武天皇の命により建立されました。大仏殿は1709年に再建されたもので、世界最大級の木造建築です。大仏殿をはじめ9棟の建物が国宝に指定されています。本尊は盧舎那仏坐像で、国宝に指定されています。
正倉院には聖武天皇や光明皇后の遺品など天平文化の美術品が約9000点所蔵されています。

興福寺

興福寺は669年に建てられ、平城京遷都によって現在の地に移築されました。藤原不比等の信仰が篤く、藤原氏ゆかりの氏寺です。北円堂・三重塔・五重塔・東金堂が国宝に指定されています。五重塔は日本で二番目の高さを誇り、奈良の町のシンボルにもなっています。

春日大社および春日山原始林

春日大社は768年に建立されました。藤原氏の守護神である武甕槌命、経津主命、藤原氏の始祖である天児屋根命とその妻の比売神を祀っていることから、藤原氏に崇敬されました。武甕槌命が白鹿に乗ってきたと伝わっていることから、鹿は神の使いとして現在でも大切にされています。
春日大社は神が宿るとされる春日山の麓に建立されています。春日山は神域として平安時代から狩猟・伐採が禁止されてきたため、当時の原始林が残っています。春日山の原始林250ヘクタールが「春日山原始林」として世界遺産に登録されています。

元興寺

元興寺は蘇我馬子が建立した法興寺(飛鳥寺)を、遷都に伴って平城京に移築した寺です。本堂、禅室、五重小塔が国宝に指定されています。禅室に使用されている木材の一部は、現役で使用されている世界最古の木材として価値が認められています。

薬師寺

薬師寺は680年に天武天皇が建立し、遷都に伴って平城京に移築しました。東塔・東院堂の2棟が国宝に指定されています。東塔は裳階という庇がついている独特の建築様式で、当時の美しさを現代にまで伝えています。

唐招提寺

唐招提寺は759年に鑑真によって建立されました。講堂は平城宮の東朝集殿を移築したもので、平城宮にあった建物で唯一残っているものです。
金堂・講堂・宝蔵・経蔵・鼓楼の5棟が国宝に指定されています。そのうちの4棟は奈良時代に建てられたもので、当時の建築様式を伝える重要な役割を担っています。

平城宮跡

平城宮は平城京の中心地に建てられた宮城で、天皇の住まいである内裏のほか、儀式を執り行う建物や行政施設などが置かれていました。建物は残っていないものの、都市や建造物の構造を示す遺構が良好な状態で保存されていて、それに基づいた復元が進んでいます。

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