日本にある湖について

皆さんは湖・沼・池の違いはご存じですか？
湖は水深が深く、藻(も)などが水の中に根をはり水草が岸に近い場所にしか生えておらず、水深の深いところには水草は生えていないものを「湖」といいます。
そして、水深が浅く中心まで水草が多く生えているものは「沼」であり、湖や沼より小さく人工的に作ったものを「池」と呼んでいます。
日本には135の湖が存在しています。その中で皆さんは池という名前の付いた湖はご存じですか？なぜ湖なのに池と名前が付いたのかを由来話を踏まえて初めに紹介します。

湖山池（こやまいけ）

鳥取県にある「湖山池（こやまいけ）」という湖は、池という名前が付く湖の中で一番大きな湖になります。湖なのになぜ「湖山池」と呼ばれているかというと「長者伝説」という伝説が関係している由来があります。
湖山長者(こやまちょうじゃ)と呼ばれる人は、その町の億万長者であり田んぼを持つほどでした。田植えを行っている際に、子供を逆に背負って歩くサルが田んぼの近くを行き来する事に人々が気付き、田植え所ではなくなりました。
この様子を見ていた長者によって、田植えがその日に終わるように太陽を呼び戻したそうです。このおかげで無事に田植えを日が沈む前に完了する事が出来ました。
そして翌日、長者が田んぼへ行くと田んぼは消えていました。ですが、その代わりに大きな池ができていたそうです。多くの人たちは「長者が太陽を呼び戻した罰として池にされちまったのだ」と言い合ったそうです。そしてその湖は「湖山池」と名付けられたそうです。
この伝説は源平(げんぺい)時代の頃の物で、見た目は湖なのに名前は池である事は実際に目を疑いますよね。ですが、日本の湖には昔話の伝説によって名前が変わった湖もあるという事を紹介しました。

琵琶湖（びわこ）

次に紹介するのは「琵琶湖（びわこ）」です。日本で最大の湖であり滋賀県にあります。
琵琶湖は滋賀県の6分の1をしめる大きさで、面積は669㎢、貯水量は27.5 ㎦とどちらも日本一の数字であります。では、なぜ琵琶湖と呼ばれているかというと、湖の北にある竹生島（ちくぶしま）にまつられている七福神（しちふくじん）の一人で、女神の弁才天（べんざいてん）がもつ楽器の琵琶（びわ）に湖の形が似ていることが由来としてあります。
また琵琶（びわ）の音色と湖のさざなみの音が似ていたからともいわれています。ですが、琵琶湖と呼ばれるようになったのは室町時代の後半で、それ以前は「淡海（おうみ）」と呼ばれていたそうです。琵琶湖は日本で一番大きな湖ですが、逆に一番小さな湖も今回紹介していきます。

震生湖（しんすいこ）

紹介するのは、神奈川県の秦野(はだの)市にある「震生湖（しんすいこ）」です。面積は0.013k㎡で、琵琶湖とはかなりの差があります。なぜこんな小さな湖があるのかというと、1923年に起こった関東大震災の影響で周辺200ｍほど崩落（ほうらく）し、せき止められたことによってできた湖です。そして名前の由来は地震で生まれた湖であり、その漢字を取って「震生湖」という名前になりました。

田沢湖(たざわこ)

最後に紹介するのが秋田県にある「田沢(たざわ)湖」です。田沢湖は水深が日本一深い湖であり、水深は一番深いところで約400mもあります。
想像が付かない深さでありますが、なぜここまで水深が深いのか気になりますよね！それは、大昔に火山が噴火（ふんか）し、火山活動が収まった火口に水がたまったことによりできた湖だという事です。
火口にたまった水ですが、透明度も高く昼や夕方など光の加減によって綺麗なエメラルドグリーンやコバルトブルーに見えたりすることで有名です。冬になっても凍ることはなく、四季折々の美しい景色を見せてくれることから日本百景にも選ばれるほどです。
田沢湖にも名前の由来があり、アイヌ語で「タプコプ」と呼ばれる盛り上がった円頂の丘を意味したと説がありますが、田沢湖と呼ばれるようになったのは明治時代からでそれまでは田沢の潟（かた）、辰子潟（たつこかた）などと呼ばれていました。
また田沢湖は多くの魚が生息していましたが、生活農業計画によって魚の生態系が崩れ、湖に住んでいた魚のほとんどが絶滅（ぜつめつ）するということがありました。人間の計画によって、湖も改善され維持するための保持工事を手掛けつつも研究しながらなので中々難しい問題だと感じます。

以上、日本各地の湖を紹介してきました。池と呼ばれる湖があれば先人類によって様々な諸説を生み出してきた湖もあります。やはり一番有名である琵琶湖に関しては、滋賀県にある事や日本最大の面積である事も覚えておきたい所です。また、湖・沼・池の違いの特徴をつかんでおく事です。例えば、湖は水深が深い事、沼は水深が浅い事、池は自然で出来たものではなく人工的に作られているものと区別出来るようにしておきましょう！皆さんの住んでいる街の近くの湖にも面白い伝説や名前の由来があるかもしれませんので、一度調べてみて歴史を探ってみたり観光スポットとして行かれてみてはいかがでしょうか？