有名なアニメのロケ地にも、白川郷・五箇山の合掌造り集落

こんにちは、家庭教師みつけ~るの荻原です。
今回は日本の世界遺産について詳しく見ていきたいと思います。みなさん、日本にはいくつ世界遺産があるか知っていますか??
なんと25個も認定されています!(2022年現在)

今回は白川郷・五箇山の合掌造り集落について学んでいきたいと思います。

世界遺産への登録の経緯

「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は岐阜県大野郡白川村にある白川郷と富山県南砺市のご箇山にある合掌造りの集落です。合掌造りが良好な状態で残っている「荻町集落」「菅沼集落」「相倉集落」が登録対象地域で、登録面積は構成資産が 68ヘクタール、保護緩衝地帯 58,873.1ヘクタールです。

白川郷・五箇山に見られる合掌造りは、17世紀頃に始められたとされています。急こう配の茅葺屋根は重たい雪が大量に降り積もる白川郷・五箇山地区に適した建築様式として普及していきます。
第二次世界大戦後は開発や人口減少により、空き家や廃墟となるところが目立つようになります。こうした状況の中、住民を中心に伝統的な建築様式を保存する動きが高まり、1958年に五箇山地区にある3つの民家が重要文化財に指定されます。1970年には相倉集落と菅沼集落が国の史跡に指定されました。白川郷でも1976年に荻町集落が重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。
1992年に日本が世界遺産条約を締結すると、白川郷・五箇山の合掌造り集落が世界遺産の暫定リストに選ばれます。こうした動きを受けて1994年に相倉集落と菅沼集落が重要伝統的建造物群保存地区に指定され、1995年に「荻町集落」「菅沼集落」「相倉集落」が「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界文化遺産に登録されました。

世界遺産に登録された理由

世界遺産の登録基準は以下の10条があります。

  1. 人類の創造的才能を表現する傑作。
  2. ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  5. ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
  6. 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
  7. ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
  8. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  9. 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  10. 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、4、5の基準を満たしています。どのような点が評価されたのか、わかりやすく見てみましょう。

①切妻合掌造り

合掌造りとは、木材を梁の上に山形になるように組んだ建築です。手のひらを合わせた(合掌する)形をしている、急こう配の茅葺屋根が特徴です。
合掌造りは日本各地で用いられた建築様式ですが、白川郷・五箇山地区の合掌造りは「切妻合掌造り」と呼ばれ、60度の急こう配の屋根が用いられています。

豪雪地帯である白川郷・五箇山地区は、冬場になると重たい雪が大量に降ります。屋根を急こう配に設計することで積もった雪が落ちやすくなり、屋根がつぶれないようになっています。
白川郷では養蚕業が盛んです。切妻合掌造りによって確保された屋根裏部屋の広いスペースは、養蚕業の作業場として利用されていました。
何層にも積み上げられた茅葺屋根は、夏場は涼しくて冬場はあたたかく、養蚕業や豪雪地帯の気候を考慮した造りとなっています。
また、建物は南北に向いて建てられています。これは白川の風土が関係していて、屋根に積もった雪に均等に日が当たるようにして溶けやすくするとともに、南北から吹く風の抵抗を和らげる効果があります。
切妻合掌造りは白川郷・五箇山地区の気候や産業に適した合理的な建築物であり、この点が世界遺産登録の際に高く評価されました。

白川郷・五箇山地区には合掌造りが約100棟残っています。合掌造りが集落の形で残っているのは国内でも珍しく、昔ながらの景観を維持しています。

②住民の相互扶助の精神

白川郷・五箇山地区には、人々がお互いに助け合う「結」の精神がいきづいています。
豪雪地帯は、冬場は雪に覆われてしまい、お互いに助け合わなければ生きていくことが難しい側面があります。また、茅葺屋根の張替えは15年~50年に一度行われます。大掛かりな作業となるため、住民同士がお互いに助け合う必要がありました。こうした状況の中、様々な行事や作業でお互い助け合う「結」の制度が生まれ、それが現在まで続いています。

伝統的な建物が現在まで守り伝えられた背景には住民の相互扶助の精神があり、合掌造りの集落で暮らす人々の営みの在り方が現在まで引き継がれているところが、世界遺産登録の際にも評価されました。

伝統的な集落、白川郷・五箇山の合掌造り集落

「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、豪雪地帯に適した合理的な建物や、相互扶助の精神に基づく人々の営みによって引き継がれてきた伝統的な集落です。

白川郷・五箇山地区は稲作などには向かない土地であり、養蚕業や塩硝(火薬の原料)生産などの家内工業が主な産業でした。
合掌造りは17世紀頃から始められ、家屋だけでなく、明善寺本堂をはじめ寺社なども合掌造りで建てられています。

ドイツ人建築家のブルーノ・タウトは1935年に白川村を訪れ、合掌造りは合理的・論理的な建築物であり、美しい光景だと大絶賛しました。白川郷・五箇山の合掌造りは、ブルーノ・タウトのこの評価によって、昭和初期の早い段階から世界中の人々の注目を集めるようになったのです。

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