【日本】二月の和名とイベントについて

こんにちは。家庭教師みつけ~るの荻原です。
前回に引き続き、みなさんに馴染みのある日本の月の和名について、各月の代表イベントと一緒に解説していくシリーズ第2弾!


本記事は二月特集です。
内容を読んで知っていた人、もっと知りたい人はこのシリーズの他の記事もぜひ見てみてくださいね。
それでは解説して行きましょう!

【冬】日本の二月:如月(きさらぎ)

現在のグレゴレオ暦ではなく、旧暦の太陰太陽暦では、日本の二月は「如月」と呼ばれていました。

どの月も諸説があり、曖昧ゆえ定義付けがされていませんが「如月」の場合は、「衣更着(きさらぎ)」と「如月(にょげつ)」から表されているという説が有力です。

「衣更着(きさらぎ)」は「寒さが変わらず厳しく、さらに重ねて衣を着る」という意味が込められており、「如月(にょげつ)」という漢字は当時の中国での二月の異名から由来し「寒い冬が終わって万物が春に向けて動き出す時期」という意味を持っているのだそうです。

二月には他にも異名がある

過去の書物や文献には、二月の他の異名がたくさん記述されています。

その中でも、注目するべきなのが、「令月(れいげつ)」です。

  • 令月(れいげつ)
  • 仲春(ちゅうしゅん)
  • 雁帰月(かりかえりづき)
  • 梅見月(うめみづき)
  • 木芽月(このめつき)
  • 雪消月(ゆききえつき)
  • 恵風(けいふう)  など

「令和」の由来となった「令月(れいげつ)」

2019年5月1日水曜日、「平成」に変わる新元号として「令和」が発表されました。

政府はその由来として、日本最古の歌集「万葉集」の巻五から梅花の歌三十二首を選び、意味を含めて説明しました。

由来となった一文は以下の通り。

時に初春令月、気は淑く風和ぐ。
「初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」

現代語訳としては、「新春の好よき月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装よそおう白粉おしろいのごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりを漂わせている」という意味に訳されています。

そんな二月の梅花の良さを詠んだ歌から、「令月」と「風和」を用いて「令和」が誕生しました。

【二月のイベント】節分

日本の二月では、毎年二日もしくは三日に行われている豆まきイベント。

古くから、季節の変わり目は、邪気や厄災、病気や疫鬼が生じると信じ伝えられており、それらを払い除ける行事として、平安時代から悪鬼ばらいの「追儺(ついな)」という儀式が生まれました。

この儀式はもともと旧暦の12月30日の大晦日に宮中で行われていた大切な儀式で、その内容は諸説ありますが、簡単に言えば火のついた弓や松明で鬼を追い払うという儀式でした。

そんな追儺が、季節の節目という意味の「節分」に執り行われたのがきっかけとして「節分」=「炒った豆を鬼に投げる行事」として現代の日本まで残っていきました。

節分には何をするの?

上記で解説した追儺が行われていたのは旧暦の話。旧暦の立春は今でいう新年を迎える時期でした。

新年を迎える前の日の大晦日では一年の安全祈願と無病息災をお祈りして豆撒きをしたり、太巻きやイワシを食べたりする習わしがあり、今もそれに似たような習慣が引き継がれています。

近年では、豆撒きだけ行う家庭やヒイラギイワシを飾らない家庭が多いようですが、一年間の中で家族全員が行う数少ないイベントの一つのため、今一度各習わしの意味を理解し、安全祈願を心がけて行うようにしましょう。

すること意味
かけ声を出しながら屋内・屋外に豆をまく霊力を含むと言われる大豆を屋内外にまいて、邪気を払う
福豆を年齢分食べる大豆の霊力を体内に取り込み、邪気に負けない体になる
ヒイラギイワシを家の玄関にかざる鬼の苦手な鰯と鬼の目を刺せるような柊を魔除けとしてかざる
恵方を向いて太巻きを食べるその年の縁起の良い方角から良運が舞い込むように、七福神を模した具が入った太巻きを1本丸ごと食べることで、一年間は無病息災になる

節分の日付が年によってズレるのはなぜ…?

日付が二日か三日で分かれているのは、十四節気が関係しています。

十四節気とは、一年を4つの季節(春夏秋冬)に分け、それを更に6つの「節」と「気」に分けたもので、旧暦での「気」の無い月(閏月)を決める基準となっていました。その分割点が毎日少しずつズレているため、季節の節目の立春、夏至などの節気も当然ズレることになります。

節分は、立春の日の前日と決められており、その立春がズレるタイミングで節分もズレるというメカニズムになっているのです。

いかがでしたでしょうか。
月の和名や各月のイベントは、これからの国際化で話題に出せるような題材です。
もし、みなさんが海外の方と親しくする機会があったら、是非教えてあげてくださいね。

それでは、次回の「【日本】三月の和名とイベントについて」でお会いしましょう!